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◆ 断熱・遮音材線種 ◆


 カスタマイズ講座で定義内容を理解したら、オリジナルのライブラリ作成に挑戦してみましょう。

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(1)線種尺度を揃える

 最も作成依頼が多いのが断熱・遮音材の線種です。 一般的な断熱・遮音材のカタログによると、グラスウールの厚みは45mmとなっています。

 標準の線種(BATTING)を使ってグラスウールを作図してみましょう。

  グローバル線種尺度 [ltscale] :500
  現在のオブジェクトの尺度 [celtscale] :0.1125
  使用している線種 :BATTING (acad.lin) 【 定義された線種幅を見る

 線種の幅が実際に45mmで作図されているか確認してみましょう。

  表示したい線種幅 = 定義された線種幅 × ltscale × celtscale

 グローバル線種尺度[ltscale]が500の時に、線種幅45で作図される[BATTING]は次の様になります。

*BAT-01125,Batting (0.1125x) SSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSS
A,0,-0.01125,[BAT,ltypeshp.shx,x=-0.01125,s=0.01125],-0.0225,[BAT,ltypeshp.shx,r=180,x=0.01125,s=0.012],-0.01125

  ◆ワンポイント◆
 文字や図形を含めた高度な線種は、[-linetype]コマンドの作成(c)オプションでは定義することは出来ません。メモ帳等のテキストエディタに一旦コピーして、拡張子を「.lin」にして保存してください。

(2)オリジナルシェイプを使う

 修正した[BATTING]とカタログのグラスウールを比較すると、直線部分の傾斜が異なります。「ltypeshp.shx」を参考にオリジナルシェイプを作成してみましょう。

*134,10,BAT1
8,(-1,4),10,(2,-044),8,(-1,-4),0

 作成したオリジナルシェイプを標準のシェイプと差し替えて、新しい「BATTING」を定義してみましょう。

*BAT1,Batting SSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSS
A,0.0001,-0.1,[BAT1,Glasswool.shx,x=-0.1,s=0.1],-0.2,[BAT1,Glasswool.shx,r=180,x=0.1,s=0.1],-0.1

 作成した線種パターン[BAT1]の線種幅は0.12になります。上記と同じ設定になる様に修正してみましょう。

*BAT500A, Glass wool -- LTScale => 500 x 45W
A,0,-0.0075,[BAT1,Glasswool.shx,x=-0.0075,s=0.0075],-0.015,[BAT1,Glasswool.shx,r=180,x=0.0075,s=0.0075],-0.0075

  ◆ワンポイント◆
 オリジナルシェイプを含めた線種を使用するには、あらかじめシェイプファイルを「サポートファイルの検索パス」に保存しておく必要がある為、第三者に図面を渡すときにはシェイプファイルも添付しなければなりません。

(3)フォントを使う

 他社CADには、AutoCADの高度な線種を表示することの出来るものもあります。しかし、その全てがオリジナルシェイプに対応しているわけではありません。

 「CADWe'll CAPE」は、「ltypeshp.shx」を含めた線種か文字を含めた線種であれば表示することが出来ます。上記と同じ線種を、文字を使って定義してみましょう。

 まずは、線種専用の文字スタイルを作成します。

  文字スタイル名 :LT
  フォント名 :simplex.shx

*GLASS500A, Glass wool -- LTScale => 500 x 45W
A,0,["|",LT,s=.021,x=-.0016,y=.0065,r=14.0],-.004,[")",LT,s=.014,y=.0417,r=135],-.007,["|",LT,s=.041,y=-.0169,r=346.5],-.003,["(",LT,s=.014,y=.045,r=225],-.002,["(",LT,s=.014,y=-.045,r=45],-.01,[")",LT,s=.014,y=-.0417,r=315],-.004,["|",LT,s=.021,x=.0016,y=-.0065,r=194.0],0

  ◆ワンポイント◆
 線種をロードする前に文字スタイルを設定しておかないとエラーになりますが、すでに使用されている図面からデザインセンターで線種パターンのみをドラッグアンドドロップすれば、文字スタイルも一緒にコピーされます。

 サンプルの線種パターン「GLASS500A」の文字スタイル名は修正してもかまいませんが、定義文の文字数が279を超えた場合、ロード時にエラーになります。

 定義文の文字数が279を超える文字スタイル名を使用するには、一度ロードした後に名前変更[rename]コマンドで文字スタイル名を変更します。デザインセンターを利用して二次使用する様に限定すれば、そのまま使用することが可能です。


カスタム線種入門 目次
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